2012年5月9日水曜日

京都市交響楽団(10)         広上淳一、京都市らに対する裁判の訴状全文

以下、訴状の全文(原文ママ)です。




訴   状

平成24年2月2日



東京地方裁判所 御中

〒330-○○○○ 埼玉県さいたま市○○○○○○○○○○○
原     告   杉 山 直 樹
電 話 ○○○ー○○○○○○○○○○○
〒○○○-○○○○ 東京都○○○○○○○○○○○
            被    告 広 上 淳 一
            〒○○○-○○○○ 東京都○○○○○○○○○○○
株式会社AMATI
            被    告  荒 井 雄 司
〒○○○-○○○○ 京都市○○○○○○○○○○○
            被    告    京 都 市      
            〒○○○-○○○○  京都市○○○○○○○○○○○
            電 話 075-○○○-○○○○ ファックス 075-○○○-         ○○○○
            被    告 門 川 大 作
            被    告 平 竹 耕 三
            被    告 並 川 哲 男
被    告 新 井   浄
損害賠償請求事件
訴訟物の価額  金2000万円
貼用印紙額   金8万円

第1 請求の趣旨
1 被告は,原告に対し,金2000万円及びこれに対する平成21年6月30日 から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言
を求める。
第2 請求の原因
1 当事者
(1)原告は,平成21年4月1日京都市に採用され,京都市音楽芸術文化振興財        団に所属して,同財団が運営する京都市交響楽団にサブマネージャーとして平 成21年6月30日まで勤務した。職務内容は,京都市交響楽団の公演企画運 営,営業統括,音楽スタッフ業務統括指揮監督などである。
(2)被告広上はフリーの指揮者であり,京都市交響楽団を運営する音楽芸術文化 振興 財団とは所属するマネージメントを通して,年に数回主要な公演を指揮す る常任指揮者としての契約を結んでいる。
(3)被告荒井は被告広上のマネージャーであり,事件当時は訴外梶本音楽事務所 に所属して被告広上ほか,クラシック音楽の指揮者,演奏家のマネージメント 業務を行っていた。
(4)被告京都市は市民文化の形成,青少年の情操を高めるために,昭和31年4 月京都市交響楽団を設立したが,平成21年4月にその運営を京都コンサー トホール内にある京都市音楽芸術文化振興財団に移管した。
被告門川は京都市長であり、京都市交響楽団楽団長である。

(5)被告平竹,並川の両名は京都市職員であり京都市交響楽団を運営する京都市 音楽芸術文化振興財団に出向して各々副楽団長,シニアマネージャーを務めて いる。
2 原告の京都市交響楽団への採用
(1)原告は,フリーの指揮者,指揮教育者として活動していたが,平成21年1 月下旬に京都市交響楽団の被告,新井浄音楽主幹から京都市交響楽団でマネー ジャーとして働く意志はないかと打診を受け,同年2月に京都市を訪れて被告 平竹,当時の事務局長,係長の面接を受け,2月末日に採用内定通知を受け た。 そこで原告は当初予定していた数年間にわたる当面の指揮活動,指揮教育  活動を相当の違約金を支払ってキャンセルし,京都市内に住居を手配して原告 本来の居住地であるさいたま市のほか活動の拠点となっていたオーストリア ウィーンからも荷物を運び,3月下旬京都市内にマンションを借りて、4月1 日に京都市に非常勤嘱託職員として採用され,即座に京都市音楽文化振興財団 に出向を 命じられて,京都市交響楽団サブマネージャーに任ぜられた。
しかし,原告が着任してみると職場内に原告の着任以前からのさまざまな人 間関係のこじれがあり,特に被告新井と折り合いの悪い音楽スタッフが職務上 必要な連絡を新井の紹介で着任した原告に行わなかったり,上司に無断で外部 の指揮者に出演日程の交渉を行うなど,組織が機能しておらず,予算の作成や 財務,出納の状況が非常に不明瞭で,過去の経営に関するバランスシートなど の資料が整備されていないことなどがわかった。
(2)被告広上は,本来京都市音楽芸術文化振興財団と常任指揮者契約を結んで出 演しているに過ぎず,京都市音楽芸術文化振興財団および京都市交響楽団の人 事や運営など,音楽面にかかわらない問題については一切の発言権を持たない が,京都市交響楽団が平成21年度から財団に移管される事,同じフリーの指 揮者であった原告が,マネージャーとして新たに採用される事など,いくつか の点において京都市,または財団から事前に説明を受けていなかった事に不満
を持ち「杉山をやめさせないなら常任指揮者を降りる」などと京都市および京 都市音楽芸術文化振興財団の幹部に対して執拗に働きかけ,平成21年5月末 に京都市は原告に対して解雇辞令をもって辞職を迫るに至った。
(3)被告荒井は,京都市交響楽団の指揮者やソリストをほぼ独占的に供給してき た経緯から,音楽に専門的知識や幅広いコネクションを持つ原告が京都市交響 楽団に赴任することによって,自らの独占的な立場が脅かされることを恐れて 被告広上と共謀し,京都市幹部を旅行先の金沢に呼び出すなどして原告を解雇 するよう迫った。
3 京都市による解雇辞令の交付と,原告の辞職
被告広上,及び荒井の要求により,平成21年5月下旬ごろ被告平竹、並川の 両名は原告を京都市交響楽団練習場会議室に呼び出し、突然「杉山さんはス タッフをまとめられていない,指揮者とコミュニケーションができないので雇 用関係を解消したい」などと告げた,特に被告並川からは「これは京都市の決 定なのでもう変わらない」「早く辞表を書いてほしい,京都市は何の補償もす るつもりはない」「おとなしくやめた方が杉山さんの経歴にも傷がつかない」 などと,脅迫的な言葉で執拗に辞表を出すことを迫り,原告は大きな精神的 苦痛を受けて,ひどい頭痛,肩こり,不眠などの心因性の障害を起こすように なった。
京都市は平成21年5月末に原告に対して6月15日の日付けの記された解雇辞令 を交付した。原告は「解雇は不当であり,裁判を持って争う」と主張したが, 被告新井らが「解雇されれば人生の汚点となり,音楽業界で仕事をすることは できなくなる」「おとなしく辞表を書けば責任を持って次の仕事を世話する」 などと1ヶ月近くにわたって執拗に退職勧奨したこと,業務中スタッフに楽器 をぶつけられる,業務遂行に必要なファイルをデスクから持ち去られる,重要 な来客や会議があるのに知らされないなど様々なパワーハラスメントが続け, 平成21年6月15日には辞表を書かざるを得なくなった。

4 損 害
原告は京都市交響楽団に採用されるにあたり,基本年俸約700万円,当時48歳だった原告は定年まで12年間勤務できると説明を受けていた。ところが 実際には3ヶ月足らずのうちに退職を余儀なくされ,金銭的に大きな損害を 被っただけでなく,精神的にも耐え難い苦痛を受けざるを得なかった。12年 間に支払われるべき給与の合計は,昇給等がなかったとしても8400万円で ある。しかし現実には住居費その他様々な経費がかかるので,実際の遺失利益 は本来概ね4000万円であったと考えられる。しかし、原告は実際には平成 21年5月31日までの2ヶ月間しか勤務しておらず、上記のうち被告のみの責任 に帰すべき金額は判定しがたい。
被告広上らは京都市に対して原告を解雇するよう働きかけ,そのことが唯一の 原因となって原告は辞職を強要された。この件に関しては被告京都市、被告門 川,平竹、並川、新井の側にも,相当の責任がある。原告は被告新井の申し出 により,京都市交響楽団に赴任することになったが決定まで僅か2ヶ月あまり であったことから赴任に当たってその後数年間に予定されていた仕事を断って いる。また京都市交響楽団在任中に原告が自らを名乗って出演を依頼したり、 交渉をした音楽家多数に対し、原告が解雇された後被告らは出演を拒否するな ど不利益な扱いをし,この事が原告のその後の業務に大きな悪影響を及ぼして いる。
以上により被告らによって原告の被った損害は金2000万円を下回ることはない。

5 結 語
よって原告は被告らに対して損害賠償金として金2000万円と,原告が退職を余儀なくされた平成21年6月30日から支払い済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

以 上

証 拠 方 法
追って立証する。 

添 付 書 類
1 訴状副本           7通
2 甲1号証 人事異動通知書 1から5
3 甲2号証 自宅待機命令
4 甲3号証 被告京都市が原告に要求した退職願のひな形
5 甲4号証 平成21年6月15日付けの解雇予告手当の計算書


以下は訴状の訂正申立書です。

平成24年(ワ)第2981号
損害賠償請求事件
原告 杉山直樹
被告 京都市ほか6名

訴状訂正申立書

(2012)平成24年5月10日

東京地方裁判所民事第1部合2係 御中

原   告   杉 山 直 樹

頭書の事件につき、原告は次のとおり訴状を訂正いたします。

第1 被告の表示の訂正

訴状1頁には〒○○○-○○○○  京都市○○○○○○○○○○○ 被 告京都市とあるが〒○○○-○○○○  京都市○○○○○○○○○○○ 被告京都市、代表 京都市長門川大作と訂正する。


第2 請求の趣旨の訂正

訴状2頁には
1  被告は,原告に対し,金2000万円及びこれに対する平成21年6月30 日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

とあるが、下記の通り訂正する。
被告らは,原告に対し連帯して金2000万円及びこれに対する平成21年 6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
添 付 書 類
1 訴状訂正申立書副本 7通

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