2016年3月31日木曜日

「お前はもう終わっている!」三文オペラ著作権終了を宣言する上演に協力のお願い!

2月初め、宮崎県立劇場で上演が予定されていたクルト・ワイル作曲の「三文オペラ」上演が開演10分前に中止されるというスキャンダラスな事件が発生しました。敗戦国である枢軸国の中でも、有色人種である日本だけが押し付けられた不条理な「戦時加算」を考慮しても、すでに著作権の終了しているワイルの作品に対して「著作権」を主張するドイツの会社の代理人を称する事務所の主張に、主催者が屈服したことが原因です。その後、各地で行われる予定だった「三文オペラ」の上演は同じ理由で次々に取りやめられました。

私は、このブログにも書いた通り2002年6月にR.シュトラウス作曲の歌劇「ナクソス島のアリアドネ」を新国立劇場で上演し、その際に英ブージー・アンド・ホークスの代理店である日本ショット社から執拗な請求と攻撃、上演妨害を受けながら上演を強行してブージー・アンド・ホークス社から提訴を受け、最高裁判所まですべての裁判を弁護士を付けずに、すべての資料を自ら翻訳し、すべての書証を自ら準備して勝訴し、著作権の終了と戦時加算の無効を立証しました。

この時私は、クルト・ワイル(1950年没)やシェーンベルク(1951年没)についても、将来同様な問題が生じるだろうと考え、是非彼らの作品も積極的に上演して著作権問題を世に問いたいと考えていましたが「ナクソス島のアリアドネ」上演での多額の赤字によりさらなる上演は不可能で、結局2005年に「ナクソス島のアリアドネ」を再上演するにとどまりました。

ワイルやシェーンベルクはアメリカに亡命してアメリカの市民権を得ているため、彼らの作品には戦時加算が適用されてきましたが、実は「三文オペラ」や「月に憑かれたピエロ」「浄夜」などの作品には重大な疑義があります。それは「太平洋戦争中も楽譜及び上演権の管理がドイツ(に併合されていたオーストリア)の出版社ウニヴェルザル社にあったことです。

連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律は昭和十六年十二月八日から日本国と当該連合国との間に日本国との平和条約が効力を生ずる日の前日までの期間「連合国および連合国民の著作権が大日本帝国及び日本国において保護されていなかった」という強弁によって有色人種である日本人にだけ押し付けられた理不尽な法律で、本来は「敵性作品であるためこの期間上演や出版が行われなかった」のだから加算どころか短縮されるのが筋なものです。同じ第二次世界大戦の敗戦国であるドイツ、イタリア、フィンランド、ハンガリー、ブルガリアなどは連合国側からこのような条約を押し付けられませんでした。そのため、今後TPPが発行した場合などに予定されている著作権の70年伸長にあたっては、過去にこれらが適用されてきた連合国および連合国民の著作物に関してはこの法律が適用されてきた期間だけ、伸長を延期するべきだと考えます。

私は、このような不条理な条約がいまだに効力を持って運用されていることに抗議するとともに、我が国においてクルト・ワイルの著作権が終了していることを宣言するために、是非「三文オペラ」を上演し、著作権の終了を立証したいと思います。同時にワイルやシェーンベルク、プロコフィエフのような作曲家の作品について、各演奏団体や主催者が過去に支払った著作権料が過誤による不法な請求だったことを立証し、これらを返還させる運動も提起したいと思います。公共の組織や団体がこのような取り組みを行うことは、極めて難しいと思いますので「法人格なき社団」である日独楽友協会が再びこの任に当たること、そして全責任を私が負うことが最も適当かと思います。

つきましては、全国の音楽家、音楽愛好家の皆さん、戦時加算という屈辱的な条約の廃棄を求める愛国者の皆さん、人種差別と戦い、文化が人種や民族の違いなく世界人類共通の財産となることを願う皆さんに、是非この上演をご支援いただけるようお願いいたします。

まずは、近く支援を呼びかけるクラウドファンディングサイトを立ち上げますので、100円でも100万円でも構いませんので、是非ご寄付をお願い致します。日本人が国際社会において文化面でも対等に扱われるための活動を是非ご支援ください。また、公演と練習のための会場(河原、河川敷の私有地で上演にクレームの付かない場所、倉庫、地下室、廃校など無料で使用できる場所)をご提供いただける方も是非ご連絡ください。

次に、この「三文オペラ」上演にご出演いただける皆さんを募集いたします。キャストについてはこちらのリンクをご覧ください。上演については原語上演とするか、日本語上演とするかまだ決めておりません。場合によっては両方の原語の版を各々上演する可能性もあります。この作品は音楽付きの演劇であり、いわゆる「オペラ」ではないことを予めご承知おきください。したがって、キャストは「歌も歌える俳優」であっても「演技もできる歌手」であっても構いません。あらすじなどはリンクに簡単に書かれておりますが、この作品は上演後まもなくナチスによって「退廃芸術」と決めつけられ、上演を禁止された退廃的な内容であり、登場人物も殺人犯、売春婦などアウトローが多く、使われる言葉も非常に粗野なものですので、予めご承知おきください。

演奏者は概ね次のような方を募集します。
フルート、クラリネット、サクソフォン、バスーンのいずれか2種類が持ち替えで演奏できる方2名(ないし若干名、普段専門でないほうの楽器が多少調子っ外れなのは構いません)。トランペット2名(B管の細管ジャズトランペット使用のこと)トロンボーンとコントラバス、バスーン、アコーディオン、打楽器のいずれか2つを演奏できる方若干名。鍵盤楽器各種(ピアノ、ハーモニウム、チェレスタ)演奏できる方で練習時のピアノも担当できる方。打楽器(マルチ)若干名。指揮者(上記の楽器のうちいずれか2種類を演奏できる方で、私と練習の交代、並びに公演の指揮ができる方。
演出助手若干名。いずれも音大卒、または同等のレベルの方。

報酬並びに経費
クラウドファンディングサイトで集まった寄付金、並びに公演時に集まった木戸銭(1回三文、もしくは3グロッシェンを予定。詳細は次報にて)から公演経費を差し引いた残額を練習及び出演回数、時間に応じて分配。

上演の時期
確保できる会場によって、2016年7月〜10月くらいを考えています。全国各地、アゴアシご負担いただける方がいれば上演に伺いたいと思います。


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