2012年4月14日土曜日

京都市交響楽団(8)

新井音楽主幹は広上淳一の言い分にかなり不満があったのに一言も言い返さなかったふうであった。京都の居酒屋に入るなりそれを私に向かって吐き出し始めた。曰く「杉山を採用したのは事務局に音楽の専門家、著作権や法律に関する知識のある人間がいないことから、長期間京都市の幹部と話し合って決めたことだ、人事権のない常任指揮者である広上にそれに口を出す筋合いはない」。恐らくそういう事なのだろう。しかし、日本社会に当たり前に存在する根回しを、しかも非常に保守的な風土である京都で、この人はまったく行わなかったのであろうか?しかも、常任指揮者である広上淳一に事前の紹介もなく事務局に赴任することには私にも大きな不安があった。2月28日、東京公演の直前に内定の通知があったと言うことは、私としては当然東京公演の際に紹介を受ける物と思っていたのである。今までどの職場でも、業務の始まる数日から数週間前に同僚や上司を紹介され、業務の概要について説明を受けたり、場合によっては赴任までの間に読んでくる書類や資料、楽譜などを渡されたりした。それが、京都市交響楽団の場合は赴任前日に行われた尾高忠明指揮の定期演奏会の練習にすら(すでに京都で待機しているのに)「まだ業務が始まらないので来ないで欲しい」と言われて出席させてもらえなかった。新井氏のやり方は私にはまったく理解できなかった。

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